ナパバレーでワイン、ワイン、ワイン!
カリフォルニアは、農業の一大産地です。
もちろん、アメリカのワインと言えばカリフォルニア、その中でもナパバレーが有名ですが、カリフォルニアはワイン用の葡萄だけでなく、野菜、果物、畜産、酪農など多くの農業をしています。
ワイン以外の農業については、他の所で別途まとめようと思います。
取り敢えず、ワインについてあれこれ。
私は、日本に住んでいた時は、全然ワインを飲みませんでした。
高いお金を出して買う事もなかったですし、美味しいワインに出会った事もありません。
しかし、2012年にアメリカで働き始めたある日、当時の仲の良かった友人が、突然ワインを持ってきて、一緒に飲もうぜ、と。
ほな、飲んでみますか、と思って、何気なく口にグラスを運んだところ、
「なんだこれは、めちゃめちゃ美味しいじゃないか!!」
それから、カリフォルニアワインは時々飲むようになりました。
そうなると、やっぱりアメリカだったらナパバレーに行ってみたい!
これを書いている10日ほど前になりますが、その念願が、やっと世界一周のはじめの都市サンフランシスコにて叶いました。
***
記念すべき、ナパのはじめのワイナリーは「ドメーヌ・カーネロス」。
カーネロスとは、「羊」という意味です。
入り口を入ると、お城のような、どっしりとした門構えの建物が見えてきました。
ナパバレーの中には、約500のワイナリーがあり、マイクロクライメート言われる地域で、狭い地域なのにも関わらず、場所ごとに天候が違います。
だから、ナパバレーの中でも、地域によって育てるワインも全然違ってきます。
例えば、日照時間が長く、燃えるように暑い地域は、赤ワイン用の葡萄、とりわけカベルネ・ソーベニヨンの栽培に適しています。
逆に、涼しい地域は、白ワイン用の葡萄、たとえば、シャルドネやソーベニヨンブラン、また赤でもピノ・ノワールといった品種の栽培に適しています。
このワイナリーは、比較的涼しい気候の場所に位置しているので、スパークリングワインやピノノワールが御奨めとの事でした。
どうせこんな時しかないんだからと思い、一番良いテイスティングコースを頼む事に。
2種類のスパークリングとピノ、全部で4種類試飲できて$40。悪くありません。
その中の「Le Lave」。
あまり上手くピントが合っていませんが、写真では、右から2番目のスパークリングです。
このワイナリーのスパークリングの中で、最もおすすめと言われ飲みました。
「おお、おおおお、これは。」
果実の甘みと酸味が混じり合って、スパークリングの泡と共に口の中で広がり、はじけた泡の香りが鼻まで抜けて行きます。上品、にも関わらず、全ての人を優しく受け入れてくれるようなスパークリング。
試飲会場も、和気あいあいとしているのですが品が良く、また行きたいと思わせてくれるワイナリーでした。
***
次に行ったのは、日本ではおそらく一番有名であろう「オーパス・ワン」。
日本のワインショップで買うと、年代にもよりますが、30000円前後かかります。
なんと試飲も、一杯45ドル。
結構いい値段します。
しかも、ここは入る為に事前予約が必要です。今回はツアーで回ったので、すんなりと入れました。
これまた、モダンなお城のような建物。
少し緊張した面持ちで玄関をくぐって受付を済ませ、グラスにワインをそそいでもらいます。
そして、ここでは、2階のベランダに行き、外のワイン畑の景色を眺めながらワインを飲む事ができます。
今回飲んだのは、「Opus One 2011」。
綺麗な緑の景色に包まれ、グラスを傾けると、
「おおおおお、こ、これは。」
香ばしい樽の香りが口の中にまず広がったかと思うと、とーん、とカベルネならではの深い果実味の重たさが舌に絡まります。だけど、柔らかい。柔らかさがあるから、いくら飲んでも、またこのワインが飲みたくなる。
至福の一時でした。
***
ランチタイムが終わって、一息入れると、午後はふたつのワイナリーを巡ります。
午後のひとつ目は、イングルヌック。
このワイナリーは、100年以上の長い歴史があり、栄枯盛衰を繰り返してきました。
一度はアメリカのトップワイナリーにまでなりましたが、経営が悪化し、ワインの質も落ちてしまった。しかし、映画監督であるフランシス・コッポラ氏が中心となって復活させ、再び今では一流のワイナリーに。
このワイナリーの最高級品、赤のカベルネ・ソーベニヨン「ルビコン2010」。
歴史を感じ、厳かな雰囲気漂うワイナリーで、グラスに注がれたワインを見つめます。
漆黒の赤。
恭しさを感じながらゆっくりと口に運ぶと、
「こ、これは。」
ずっしりと、重い。
このワインには軟派な表現は似合いません。
口から体の中枢にかけて、赤い濃い液体が滴り落ちていく。そこには深いオークの香りも織り混ざっています。
長いワイナリーの歴史を、そのまま感じさせてくれるようなワインでした。
最後は、ワインをサーブしてくれたおじさんと記念に一枚。
***
そして、今日の最後のワイナリー、ロバート・モンダヴィ。
言わずと知れた、カリフォルニアワインを世界に知らしめたところです。
オーパスワンと道を隔てて、向かい合うように存在しています。
ナパバレーツアーの最後に、最高のワイナリーと巡り会えました。
ここでは、50ドルで4種類のワインを試飲できます。
その中でも、ふたつのワインが私の心をとらえました。
写真の1番左の白のソーベ二ヨン・ブラン・リザーブと、
右から2番目の赤のカベルネ・ソーベニヨン・リザーブ。
リザーブとは、ワイナリーの中でも最も良い葡萄を使って作られたとっておきですよ、という意味です。
白のソーベニヨンブランは、なんと普通に買うと90ドルかかります。
これは、この葡萄の品種にしては、大変に強気な値段です。
しかし、その価値はありました。
「おおおお、こ、これは。」
飲んだ瞬間に、口の中に広がるすっきりとしたみずみずしさ。
そして、すぐに、果実のほのかな甘酸っぱさも伝わってきます。
このワインのフレッシュさを感じると、新緑の広がる森の中に立っているような清々しい気分に。
正統派の白の中では、一番好きなワインかもしれません。
続いて、このワイナリーの最高級品、
「ロバートモンダヴィ カベルネ・ソーベニヨン リザーブ 2010」
果たして、今日飲んだオーパスワンを超えるワインになるのか。
深く、しかし同時に美しく彩られた赤。
今日のフィナーレだと思って、グラスを傾けました。
「おお、おおおお、おおおおおお。」
最高の調和。
樽の香りを静かに放ちながら、葡萄そのものが持つ深い味わいもしっかりと感じさせてくれます。
オーパス・ワンには、柔らかく女性的なきらびやかさがありますが、モンダヴィ・カベルネリザーブのワインには、男性的な強さと優しさが内在しています。
私にとっては、今日の中で最高の赤ワインでした。
***
以上、ナパバレーで飲んだワインを、若干「神の雫」の如く、書いてきました。
一度、こんな感じで書いてみたかったんです。ワインに詳しい訳ではありません。
それどころか、たまにたしなむ程度の初心者です。お許し下さい。
芸能人格付けチェック、やってみたいなぁ。
そしたら、どや顔で外すんだろうなぁ。
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