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– Tomo's World Trip in 2015 –

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カリフォルニア農業とアメリカ西海岸の日本食のまとめ

   

いよいよアメリカ西海岸も終わりです。
 
今回の旅は、食を大きなテーマに掲げていますが、カリフォルニアで農業と食に関して気付いた事をまとめようと思います。
 
カルフォルニア州には、5つの大きな産業があります。
・石油産業(アメリカで3番目に石油が採れる州)、
・航空機産業(ボーイングなど)、
・IT産業(シリコンバレー)、
・エンターテインメント産業(ハリウッド)、
・農業(セントラルバレー)
です。
第一次産業から第三次産業まで揃った、非常に産業の豊かな州と言えます。
農作物生産量は、アメリカの中でカルフォルニア州が過去50年間ずっとトップを占めてきました。
前回のファーマーズマーケットについて書いたブログでも述べましたが、サンフランシスコとロサンゼルスの間のセントラルバレーと呼ばれる地域を中心に、野菜や果物をはじめ、ワイン用の葡萄、畜産、酪農、など多くの種類の農作物が作られています。
 
なぜこれだけ農業が盛んなのかと言うと、気候が農作物を作るのに非常に適しているからです。
例えば、夏場はほとんど雨が降りません。5-11月の乾季の間は、全くと言っていいほど雨が降る日がない。
しかも、夏の季節は夜の9時半くらいまで太陽がでていて、日照時間も非常に長い。
雨が降らないので、放っておいても害虫があまり発生しません。
そうなると、勝手に美味しい野菜や果物、そしてワイン用の葡萄ができてきます。
(雨が降らない為、コロラド川や雪解け水を引張ってきて、水源として使っています。)
ワインについて言うと、フランスワインと比べると、アメリカワインにあまりビンテージによる差がないのは、カリフォルニアは気候に恵まれていて、年による葡萄の出来不出来が少ないからです。
 
実際にファーマーズマーケットで見た野菜は、有機栽培で育てられているのにも関わらず、虫に食べられている作物がほとんどない。
 
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これが一番日本と違う所です。
日本では、梅雨、台風、秋雨など非常によく雨が降ります。
 
世界一周に行く前に一度、日本の農業について学ぼうと思って、京都で有機栽培をされている農家を訪問して、お手伝いをさせて頂きました。
その農家の方は、徹底的に有機栽培にこだわっています。
畑で作物を見せてもらうと、虫が葉っぱを食べた後が目立ちます。
毎日が、虫との戦いだとおっしゃられていました。どんなに毎日気にかけても、日本で無農薬で育てようと思うと、虫を完全に避ける事は難しいようです。
 
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農作物を育てる環境として、明らかにカリフォルニアは恵まれています。
そして、カリフォルニアの農業は密接に私達の食卓とも関わっています。米やアーモンドをはじめ、2000億円以上の農作物を輸入しています。今後も、カリフォルニアは、日本の食にとって、重要な地位を占める地域であると思います。
 
***
 
続いて、日本食についてですが、サンフランシスコとロサンゼルスでは、自分が想像していたよりも遥かに日本食が定着していました。特にロサンゼルスでは、歩けば日本食屋に巡り会うくらい、多くの日本食レストランがあります。
しかし、日系人が多かった1900年代後半にできた日本人の店は、今や経営者が中国人・韓国人に変わってきています。
外務省の統計を見てみると、決して海外に住む日本人が減っているわけではありません。ですので、この理由としては、アメリカに来る中国人、韓国人が近年圧倒的に増えたからだと思います。
やはり、こちらにきて感じるのは、彼らの多さとパワーです。
日本人が経営しているレストランに行ったとしても、顧客の大半は既に日本人ではありません。白人、黒人もいますが、やはり多いのはアジア人です。
アメリカで食の事業を行う際は、白人だけではなく、中国人・韓国人をはじめとしたアジア人をどのように惹き入れていくのかは、非常に大事なテーマになってくるでしょう。特に、アメリカの都市部ではアジア人の占める割合が高くなるでしょうから。
 
経営者や顧客がアジア人になるにつれて、日本料理もどんどん変化して行っています。
現地に合わせて進化して、新たな美味しい日本食が生まれてくる事もありますが、日本人としてみると、首を傾げたくなるような料理がでてくることも多々あります。
 
少し古い統計ですが、2013年時点で海外には55,000店の日本食レストランがあります。
そのうち、日本人や日本の企業がやっているレストランは10-20%ほどです。残りの80-90%の日本食レストランは、外国人が経営しています。(テレビ東京「ジパング」より)
 
でも、やっぱり、日本でベトナム料理を食べようとしたら、ベトナム人が経営している店が美味しい。
中華料理も、なんだかんだ日本人の舌が分かる中国人が経営しているお店が安くて旨い。
そんなもんです。
 
昔からの伝統的な和食だけではなく、戦後の洋日本食も含めて、日本には豊かな食の文化があります。
それを、世界に向けて、誇れる文化のひとつとして輸出して行く事は、これからの日本にとって非常に有意義な事だと思います。
また、日本の現在の食は、驚くほど値段が抑えられ美味しくなってきていますが、同時に問題も内在してきています。さらに良いものになるように見直していくのも、大切なことだと思っています。
 
以上、カリフォルニアの農業とアメリカ西海岸の日本食のまとめでした。

 - 北中アメリカ(North and Central America), 食(Food)

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