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– Tomo's World Trip in 2015 –

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東欧の国々の、ランチから見える経済格差

   

しばらく更新できていませんでしたが、引き続き、また書き始めたいと思います。
 
ニューヨークを出た後は、ドイツのベルリンに到着し、まずは東に向かって、「東欧」の国々を周りました。
ポーランドの首都ワルシャワに入り、同じくポーランドの旧首都クラコフ、チェコのプラハ、オーストリアのウィーン、そして、ハンガリーのブタペストと巡ります。 これらの国は、「中欧」と定義されることもありますが、西のイギリスやフランスなどの国と比較して、かつての社会主義国群を東としたほうが自分にとって分かりやすい為、ここでは「東欧」と書きます。
 
東欧
 
さて、どの国も初めて行く国ばかり。
なんとなく同じような国だろうと行く前には思っていましたが、実際に歩いてみると、国によって経済力の差があることに気が付きました。
 
きっかけは、ランチの価格が全然違うこと。
たとえば、ポーランドやチェコでは、ランチが500円程度で食べられるのに対して、オーストリアでは、1500円-2000円ほどかかります。 同じ東欧で陸続き、距離もそれほど離れていないのに、このように食事の値段に差があることに違和感を感じました。
下の写真は、偉大な音楽家モーツァルトやベートーヴェンも演奏したという、オーストリアのウィーン最古のカフェでのランチ。ここではヴィーナーシュニッツェル(ウィーン風カツレツ)が有名らしく、値段もビール込みで2500円ほどかかりました。総じて東欧の食事のレベルは、、、普通です。
 
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この国ごとのランチの価格差の理由を調べてみると、なるほど納得。
世界経済のネタ帳(http://ecodb.net/)によると、一人当たりGDPが、
・ポーランド(首都ワルシャワ):14,500 (USドル)
・チェコ(首都プラハ):19,500 (USドル)
・ハンガリー(首都ブダペスト):14,000 (USドル)
・オーストリア(首都ウィーン):51,000 (USドル)
と、オーストリアだけ飛び抜けて高い。
このオーストラリアの値は、日本の36,300ドルも大きく上回ります。円安の影響があるので、日本も今はドルベースだと大きく下がりますね。
一人当たりGDPというと、辞書で調べても国内総生産とでてきてなんのことかピンときませんが、ざっくり、その国の平均年収とおおまかには近い値を示すことが多いです。(もちろん、かなりざっくりな言い方ですが。)
日本も36,300ドルだと、120円/ドルで円に換算すると、430万円くらいなので、国税庁が発表している日本人の平均給与410万(http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2014/minkan/)に近いですね。
それにしても、オーストリアという国は裕福です。
 
では、この経済力の差が生まれた原因はなんなのでしょうか?
私は、過去50年の政治体制によるものだと思います。
オーストリアは1955年以降、永世中立国の立場をとってきました。
それにより、資本主義の方向をとり、大きな主産業はないですが、ドイツの主要産業と密接に関わることで、経済的に豊かになりました。
それに対して、ポーランド・チェコ・ハンガリーは旧ソビエトの支配下に置かれていた国です。冷戦が終了する1989年までは、社会主義体制でした。
ポーランド人と話すと、社会主義時代は、いかに経済的に貧しかったかを教えてくれました。
これを見ても、いかに社会主義が、国民が経済的に裕福になるのが難しいかわかります。
以前、ブラジルのユバ農場に行った時のブログにも書きましたが、社会主義が成功するためには、ふたつの大事な要素が存在します。
1.まずは、社会主義体制のトップの人たちが、道徳心を兼ね備え、私ではなく公を考える人材でなければらならないこと。
2.さらには、社会主義下の国民が、お金と言う対価がなくても真面目に働く人達でなければいけないこと。
かなり難しいハードルです。
旧ソビエトの社会主義もうまくいかず、実際に経済力の差として、東欧の中にも未だ悪影響が残っています。
 
そして興味深いのが、この国々の中でオーストリアだけ、ユーロを導入しているという点。
訪れた4つの国は、全てユーロ加盟国ではあるのですが、ユーロ加盟国だといってすべての国が通貨をユーロにしているわけではありません。 この事実は、金融の世界で働いておきながら、恥ずかしながら実際に来るまで知りませんでした。どうも、欧州といえど発展途上の国ほど、まだ自国の通貨を使う傾向があるようです。
そして、自国の通貨を使い続けるメリットもある様子。
現地でポーランド人と話していると、2008年のリーマンショック以降、ポーランドだけは、自国通貨を保っていたおかげでユーロの中でマイナス成長に陥らなかったと言っていました。
経済力の違う国が、同じ通貨を使うと、いろいろと不都合があるのかもしれません。 ギリシャ危機がひとつの例だと思います。ユーロ導入によって、自国の中の中央銀行の役割が失われるため、景気が悪くなっても金融政策が打てず、このようなことが起こりました。
 
いやはや、一口に東欧と言っても、全然違う。
 
やはり、実際に自分の足で街を歩いてみると、意外な発見があります。

 - ヨーロッパ・北アフリカ(Europe / North Africa), 文化と経済(Culture and Economy)

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