シリコンバレー巡り(アップル・グーグル・フェイスブック本社)
アメリカは、農業や工業をはじめとする多くの産業を持つ国ですが、1980年代まで停滞していたアメリカを90年代に引き上げたふたつの産業があります。
IT産業と、金融産業です。
70-80年代は、日本が製造業の技術を駆使し、自動車とエレクトロニクス産業で、ひとつの時代を作り上げました。その裏側で、アメリカは不況に陥っていました。
しかし、ITと金融、ふたつの産業を基軸とする事で、アメリカは見事な復活を遂げました。
今までの各国の栄枯盛衰を見ていると、やはり国の原動力と言うのは、人口ももちろんですが、同時に産業や文化をいかに生み、育むかだと感じます。
ニューヨークにいた2012、2013年に、金融業界には携わることができました。
また今年(2015年)の3月にニューヨークに行くつもりなので、その時に金融業界については書くとして、今回はシリコンバレーを訪れたので、それについてまとめようと思います。
「シリコンバレー」。
世界の有名なIT企業がこの場所から生まれ、IT産業を志す人達にとっての聖地だと思います。
HP(ヒューレット・パッカード)をはじめ、インテル、アップル、グーグル、フェイスブックなど、私達が生活の中で当たり前のように使っている商品やサービスは、ここから生み出されました。
しかし、実際にどのような地域、どのようなオフィスなのか、私には全く想像がつかなかったため、サンフランシスコに来たらシリコンバレーにぜひ行って見てみようと思っていました。
しかし、簡単には行けない事に気が付きます。
シリコンバレーと呼ばれ、ハイテク産業が集まっている地域なので、もうちょっと都会だったり、アクセスが良かったり、高層ビルが建設されていると思っていましたが、まず相当に交通の便は悪いです。
本当に、かなりの田舎です。
電車で行くことさえも相当に難しい事が分かりました。
なので、車でシリコンバレーを巡るツアーを探して、申し込んだのですが、あえなく断られる。。。
うーむ、どうしようかなと途方に暮れていると、サンフランシスコに来てたまたま道端で話して知り合った人が、時間があるから連れて行ってあげるよ、と。
世の中には、なんて優しい方がいるの!
捨てる神あれば、拾う神ありです。
お言葉に甘え、車に乗り込み、シリコンバレーに向かいました。
***
はじめに訪れたのは、Google本社である、Googleplexです。
まさしくGoogleMapをナビとして使いながらオフィスに着き、こっそりと社員のように入って駐車しました。
まず、駐車場の入り口に、カラフルなグーグル自転車を見つけて大興奮!!
これは社員がオフィス間の移動用に使う自転車です。
なので、鍵もついていませんし、必要とあれば乗って、着いたらその場に乗り捨てます。
全くハイテクではありません。ギアもひとつしかなく、スーパーアナログです。
今回は、Googleには何も予定せず行ったので、車をとめて駐車場の周辺を歩き回っただけでしたが、それでも楽しかったです。
低層の建物が、広大な敷地の中に広がっていました。
なんだかオフィスというよりも、レクリエーションセンターのような場所です。
ジムが設置され、庭にはカラフルなベンチがおかれ、社員がのんびりと話し合っています。
もう少し、グーグルの本社と言うと、高層ビルのようなものを想像していました。
日本のグーグルは、六本木ヒルズにありますし。
ネットで調べると、今回は行けなかったメインオフィスは、確かに近代的な低層ビルになっているようですが、訪れた本社の一部は、のんびりとした、静かな自然の中にありました。
ここで働いたら、確かにストレスとかあまりないかもな、と思わせてくれるオフィスでした。
***
そして、その日に同行して頂いた方にはお例を言い、次の日、ひとりでAppleの本社(Apple Campus)に向かいました。
Appleでは、友人がオフィスを案内してくれることになっていたので、サンフランシスコ市内から電車に乗って最寄り駅のSunnyvaleまで、まず1時間半。
そこから、車で迎えにきてもらって、20分運転してやっと辿り着く事ができます。
Google、facebookといい、Appleといい、ほんとなんで、こんなアクセスの悪い所にオフィスがあるんだろ。
逆にこのあたりに住むと、他にする事がないから、仕事に集中できるのかもしれません。
私は、パソコンもMacBookAirだし、携帯もiPhone。Apple製品は常日頃から使っています。
興奮しながら、オフィスに到着し、まずAppleのロゴの前で写真をパシャリ。
そして、社員と一緒でしか入れないオフィスに案内してもらい、芝生が広がっている屋外に出て、ランチを食べました。
まず、Googleやfacebookと、Appleのオフィスの雰囲気は少し違います。
Googleplexは、開放的で遊び心が溢れていましたが、Appleはどちらかというと、普通の綺麗なオフィスに近いです。
そして、社員も、大きく違うのが、Googleやfacebookは20代、30代、といった若い社員が多く、会社が大きくなってもベンチャー企業、と言った感じなのですが、ランチを食べているAppleの社員を見渡すと、30代、40代、時には50代の人もいて、年齢層が幅広い事に気が付きます。
これは、よく考えてみると当たり前なのですが、Appleは1976年に設立され、40年近い歴史のある会社です。
それに比べGoogleは1998年、Facebookにいたっては、2004年と歴史がまだまだ浅い。
となると、当たり前ですが、Appleの方が幅広い年齢の人が働いています。
また、もしかすると、Appleはソフトウェアもハードウェアも両方扱う会社ですが、GoogleやFacebookはソフトウェア中心です。
その点で、エンジニアの性質の違いが少し雰囲気に出ているのかもしれません。
また、ランチの場所には子供も何人かいました。
Appleでは、家族がランチの時間に来て、社員と一緒にご飯をとることを推奨しているようです。
他の企業は聞いていないので分かりませんが、素敵な文化だなと思いました。
これは、もっと日本の会社も導入するべきだと思います。
私が幼稚園か小学生だった頃、父親の会社に行くのは、なぜだか分からないですけど、すごく嬉しかったですし。
案内してくれた友人に、生活リズムはどうなの?と聞いてみました。
彼は、ワイヤレスやBluetoothなどの器機の中のアンテナを扱う部署に所属しています。
朝は、9時前後くらいに出社。しかし、ミーティングとかない限り、絶対に9時に来なければいけないということはありません。
そして、夜は18時くらいまで。
仕事は持ち帰るの?と聞いたところ、基本家では全く仕事はしないとのこと。
他の人も、特殊なソフトウェアエンジニアは別として、あまり家には仕事を持ち帰らないそうです。
色々聞けて勉強になったApple Campus訪問。
Apple、Google、そしてfacebookの本社を訪れ、今まで自分がイメージしてた「働く場所」とは全く違うものを見る事ができました。
今後、会社やオフィスを作る為の、大きなヒントをもらえた気がします。
でも、ひとつだけ言うとしたら、Appleのランチの天ぷらそばは、まだまだ改善の余地があるぞ!
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