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– Tomo's World Trip in 2015 –

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ミラノ万博②:各国のパビリオン&感想

   

前回に続き、ミラノ万博について。

 

メインのパビリオンのうち、特に印象に残った国は、アジア勢と、中東勢。

今回の万博に力を入れているなぁと。

私が訪れた中で印象に残った国のパビリオンは、

・日本、韓国、タイ

・アラブ、イスラエル、カザフスタン

・ドイツ、オーストリア

・コロンビア、ブラジル

この中から、いくつかピックアップしてまとめます。

***

<日本館>

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素晴らしいです。

待ち時間約60分+体験時間約50分という、今回の全パビリオンの中でも、特に長い時間がかかる日本館。ほかのパビリオンのエキシビジョンは、平均10-15分程度、長いものでも、30分ほどという中で、異例です。

でも、その時間をかける価値は十分にある。

映像も体験型のエキシビジョンもどちらもレベルが高い。

しかも注意深く見れば、日本の農業や食の最先端の情報や技術が詰まっています。結局私は、2時間以上中にいて、勉強させてもらいました。この日本館に提供している資料、全部欲しいなー。どうにかして手に入れれないかな。

参加した外国人の方は、日本に好印象を持ってくれると思います。

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しかも、イベント会場では、週替わりで様々な地域や自治体が、イベントを出店しています。私が行ったときは、京都ウィークで、舞妓さんが踊っていました。

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<UAE館(アラブ首長国連邦)>

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人気のエキシビジョンは、やはり長い列。UAEも、30分以上待って入場できました。

このエキシビジョンは、映像が中心。約20分ほどの映画仕立ての映像が流れます。内容は、砂漠の国であったUAEがいかにして発展し、砂漠の土壌から「食」を育んできたか。

水と食料の大切さ、UAEの歴史、ともに学べる素敵な映像です。

映像を見終わった後は、参加した人々から拍手が自然と湧きおこっていました。

 

<韓国館>

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日本館と共通する部分は、映像の美しさ。

韓国館は、「飽食と飢餓」に焦点を当てています。

キムチをはじめとする発酵食品にも焦点をあて、発酵食品の栄養価値もアピールしていました。

 

<タイ館>

こちらも長い行列ができていたパビリオン。

印象に残ったのは、最後のドキュメンタリー仕立ての映像。

タイ国王が、いかに農業の発展に尽力してきたかを描いたものです。過去にタイを旅行した時にも感じましたが、これを見ても、タイの国王は本当に国民から尊敬されているのだなと思います。

映像を見ながら、日本の天皇陛下を思い出していました。国を象徴する存在がいて、国民から尊敬されているという事実は、有難いことなのだなと改めて思いました。

 

<コロンビア館>

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これは、個人的に、とても印象に残ったパビリオン。

中に入ると、よく分からない言葉で説明が始まり、英語の字幕もありません。(たぶん、イタリアで行われている万博なのにスペイン語で話してる!?)

なんだ、これは、全然理解できない!?と思って、先に帰ろうと思ったのですが、途中にいた中年の女性が、たどたどしく、必死に何かを伝えようとしてくれます。もう少しいてみようかなと思って、最後の部屋に入ると、いきなりラテンの音楽が大音量で流れてきました。南米色、全開!!

数か月前に南米を旅行したことが思い出されてなんだか懐かしい。

と思っていたら、さっきのおばちゃんが、踊り始めます。

他の人も、踊り始めます。

そして、さっきのおばちゃんが私に向かって手招きして、一緒に踊ろうと。

私も楽しくなっちゃって、みんなの前につい出てしまって踊り始めたら、もうてんやわんや。勝手に盛り上がっていくのも、南米らしい。

曲が終わると、みんな笑顔。

南米人の底抜けの明るさは凄いよなぁと、改めて感じた夜でした。

***

さて、まとめです。

今回、丸々2日間に渡って参加した万博。

万博は5年に1回しか開催されないので、今回の世界一周旅行のタイミングで万博を訪れられたことも、それが「食」というテーマだったことも、運が良かったとしか言いようがありません。

まず印象に残ったのは、食の不均衡。

20億人の人が肥満で悩む一方で、10億人は飢餓で苦しんでいる。食糧廃棄も非常に大きな問題です。国連をはじめ、この問題に取り組む団体の存在も知ることができました。

また、2050年には90億人が住む世界。

増え続ける人口に対応するためにも、”持続可能性”は大きなテーマです。一転、日本に目を向けると、国土交通省の試算では、2050年には日本の人口は1億人を割ると予想されています。日本のためになる事業をしたいと思う一方で、長期的には必ず世界に目を向けなければな、と。

 

最後に。

砂漠から街を作ったUAEのエキシビジョンで感じたことなのですが、「水は命」です。

これは、世界を回る中でも、本当に強く感じます。

水がきれなところは、人も健康で長く生きれます。文明も発達します。逆に、水がないところ、水が汚染されているところは、文明も発達しにくいですし、人も健康にはなれません。

日本を振り返ってみると、どうでしょうか。

日本は海に囲まれ、水資源にも恵まれてきました。そこに水田を作り、自然とともに共生してきたと思います。今回の日本館でも、水田の歴史や役割を説明してくれています。

しかし、2011年に大震災が起こり、原子力発電所が津波に巻き込まれました。今でも問題収束のめどは立たず、汚染水は生まれ続けています。

最終的に、人体に問題がどれほどあるかは専門家によって意見が分かれているところですが、少なくとも汚染水が生まれ続けている現状は事実です。そして、それに取り組むために、多くの方が命を削っています。故郷に戻れなくなった人も数多くいます。

水が汚染される、これほど大きな問題はありません。

これから同じようなことは、絶対に起こらないようにしなければいけない。

そして、これから50-100年の間に、人間の想像を超える大きなことが起こる確率は非常に高い。それは自然災害かもしれませんし、戦争か何かかもしれません。とにかく、人の想像を超えることは平気で起こります。金融商品で、何か大きな問題が起こって株価が乱高下するボラティリティにかける商品がでていて、不謹慎だとは思いますが過去の運用実績を見ると良好なのです。

つまり、何かは分からないけど、何かが起こりうる。

その時、原発は安全だと言い切れるでしょうか。

やはり、原発を再稼働することは、いくら短期的には企業業績を上げるとしても、してはいけないことだと思います。特に日本のような国は。

 

多くの自然災害もありますが、同時に日本には世界にも稀な「恵み」もあります。

それは、美しい田舎の風景だとも思いますし、色とりどりの四季だとも思いますし、多種多様な食材だとも思います。

それを、骨幹から支えるのは「水」や「空気」といった、当たり前のように身の回りにあるものです。

 

与えられた「恵み」を自らの手で壊すようなことはしてはならない。

 

ミラノ万博への参加は、そんなことも考えさせてもらいました。

 

 - ヨーロッパ・北アフリカ(Europe / North Africa), 文化と経済(Culture and Economy), 食(Food)

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